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■ほらふき男爵
男爵・日々メモ | 2010/04/01 21:32
男爵の男爵による男爵のための男爵列伝のコーナー。

今回は「ほら吹き男爵」こと、ミュンヒハウゼン男爵について。

Münchhausen
ミュンヒハウゼン男爵 - Wikipedia

その昔、吾輩のハンドルネームはただの「N」であったのだが、mixiを始めるとき「さすがにかぶるだろう」と思い、ブログのタイトル「カラオケ男爵」からとって男爵Nとしたわけである。ネーミングのユニーク性を高めようとするのは、普段からキー制約に縛られているデータベース屋のサガである。

そして「カラオケ男爵」というブログタイトルは、これが実は「ほらふき男爵」をもじったものなのである。子供のころに読んだ絵本「ほらふき男爵の冒険」の嘘だらけの話は、幼い吾輩の人格の形成に最も大きな影響を与えた一冊である。まず全てを疑ってあらゆる可能性を考えなければ気がすまない慎重すぎる優柔不断な吾輩の性格は、「ほらふき男爵」に端を発する。



「ミュンヒハウゼンのトリレンマ」を知っているかッ!

ミュンヒハウゼンのトリレンマ - Wikipedia

これは「あらゆる証明にはなんらかの前提が必要」「前提の証明にはさらに前提が必要」「前提の前提の……最初の前提ってなんだ?」→「世の中に確かなものなどなにもないんじゃないか」ということをあらわしたものである。

幼い頃この矛盾にぶつかった吾輩は、自信も持つことも確信することもなくなった。この世に絶対なものなどない、しかし絶対なものがないのは絶対ではないという自己矛盾する命題の果てに、事象の不確定性を前提とした思考が身に付いた。

例えば、私が広島に歌いにいくとき、「もし地震とかあって新幹線が止まったりしたらいけませんのでご了承ください」という言葉で参加宣言を締めくくるのはただのウケ狙いではなく、そういうことを確かに想定しているからである。交通機関を100%信用してはいないからだ。想定して心の隅には止めるが、実効性のある対策はできないのでしない、しかし、突発的で僅かばかりの可能性でも相手の心の片隅においておく。もしそうなったときに、相手がそのケースを何も考えておらず「うわ信じられない!」などと言わないようにである。これは他人を完全には信頼していないといえる。

あるいは、私が自宅に帰るとき、「ひょっとして火事で燃え落ちているんじゃないか」と常に心配しながら歩き、いつもと変わらぬアパートの屋根が見えて安堵する毎日を送っていたりする。もう一度言う。毎日である。昨日あったものが今日もあるなんてことは信じていない。

かといって、信じられるのは自分だけなどと言うことはない。自分自身をも信じてはいない。ある程度は信用できる人間だと思うが、絶対の信頼がおける人間ではないことは承知している。なので、「忘れなければ~」「なにかおきなければ~」とか常に前言い訳をしてから行動するし、自分のトラブルで他人に影響するのを酷く恐れている。だから、主役よりは人数あわせであることを望むし、ましてや歌会の幹事なんてやったことがない。(もしもやるとしたらもしものときのためにサブ幹事を置くだろう)

「信じられない」とか「ぶっちゃけありえない」などという自らの想定力の低さを安易に肯定して認めるような発言は大嫌いだし、すべての可能性を考えるのは無理だとしてもそれをちっとも全く考えようともしない思考停止は大嫌いである。事前に最善策がとれない突発的なことが起こったときでも、「まあ、そういうこともあるか」と即座に事後の次善策が打てる人間になりたいと思っているのだ。「こんなこともあろうかと」の真田さんに憧れを抱くのはそういうことである。

そんな自分自身も他人も世の中も、ありとあらゆるものを疑っている男爵が、「もう俺は誰も信じない!帰ってくれ!」といって勇者を追い返した宿屋の息子状態になったかというと、そんなことはない。「絶対はない」が、「絶対ないこともない」のだ。

誰かの言うことを全て信じる人間はダメだが、人の言うことを全く信じない人間もダメだ。

私はどんな善人でも100%信じはしないが、いかな悪人でも全否定することもない。信じる度合いが違うだけだ。あの人はだいたい80%は信じられる、あの人は30%くらいかなとかそんな感じで。ミュンヒハウゼンのトリレンマの果てに、結局は、ごく普通の思考に落ち着いたのであった。ただし、慎重で優柔不断で、傍から見ると実にメンドクサイ人物であることは間違いない。


さて、この話はどこまで本当なのであろうか。それは吾輩にもわからない。




結びに、私の尊敬するアニキの言葉を書いておこう。吾輩にはできないことを言い切ってくれる、そこにシビれる憧れる!

「いいかシモン、自分を信じるな! 俺を信じろ、お前を信じる俺を信じろ!」

「お前のそばにはオレがいる。お前を信じろ!オレが信じるお前を信じろ!」

「いいか、シモン、忘れんな。お前を信じろ…!俺が信じるお前でもない、お前が信じる俺でもない…。お前が信じる、お前を信じろ。」

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